ベイトリール

シマノ 21スコーピオン DC vs 20SLX DC コスパ徹底比較

21スコーピオン DC VS 20SLX DC
ヨッシー

釣りに行くときは雨男のヨッシーです。

DCブレーキを搭載したベイトリールで最もコストパフォーマンスに優れたモデルとして定評のあった17スコーピオン DC。

20SLX DC の登場で影が薄くなってしまいましたが、2021年ついに スコーピオン DC がモデルチェンジを果たしました。

21スコーピオン DC はNEWマグナムライトスプールを搭載し、DCブレーキにも磨きがかかり大きくパワーアップしています。

今回はそんな 21スコーピオン DC20SLX DC について、独断と偏見で実機を交えながら徹底比較し、ポイント制で優劣を明確にしていきたいと思います。

また、価格差を踏まえどちらを購入した方がお得感があるのかを考察していきたいと思います。

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スペック比較

21スコーピオンDC vs 20SLX DC

スペック比較は両者ともにXG(エキストラハイギア)モデルで比較したいと思います。

21スコーピオンDC
150XG
20SLX DC
70XG
ギア比8.58.2
最大ドラグ力
(kg)
5.55
自重(g)225210
スプール
径(mm)/幅(mm)
34/2534/22
糸巻量ナイロン
(lb-m)
12lb-130
14lb-110
16lb-100
12lb-100
14lb-90
16lb-80
20lb-65
最大巻上長
(cm/ハンドル1回転)
9188
ハンドル長
(mm)
4545
ベアリング数
BB/ローラー
7/16/1

出典:シマノ 21スコーピオン DC スペック表シマノ 20SLX DC スペック表

単純に数値がよければいい、ということではないのですが、できるだけ客観的に優れている項目を評価します。

21スコーピオン DC の優れているポイント

  • 最大ドラグ力が高い
  • 糸巻量が多い
  • ベアリング数が多い

最大ドラグ力はノーマルギア、ハイギアだと 21スコーピオンDC20SLX DC ともに5.5(Kg)と同じ数値なのですが、エキストラハイギアは 20SLX DC の方が5.0(Kg)と劣っています。
この辺りはXシップ非搭載が関係しているのでしょうか。

スプール径の幅は好みもあるので評価はしませんが、それによって糸巻量が多くなっていることはプラスと考えるべきでしょう。

ベアリング数は 21スコーピオンDC の方がやはり多いですね。

20SLX DC の優れているポイント

  • 自重が軽い

自重については 20SLX DC の方が15g程軽くなっています。
DCブレーキ付きの場合、ただでさえ『重い』という問題があるのでここは軽い方にポイントを加算したいと思います。

スペック比較の結果

ということで
スペック比較の結果は3対1で 21スコーピオン DC の圧勝です。

技術特性比較

次は技術特性上の比較。

21アルテグラC3000XG19ストラディックC3000XG
マイクロモジュールギア
Xシップ
HAGANEボディ
マグナムライトスプール
I-DC5
I-DC4
S3Dスプール
S A-RB
スーパーフリースプール
海水OK

技術特性は、21スコーピオン DC20SLX DC の機構を全て包含しており、さらに以下4つの機構で勝っていると思います。

  • マイクロモジュールギア
  • Xシップ
  • マグナムライトスプール
  • I-DC5 ブレーキ(20SLX DCはI-DC4)

マイクロモジュールギアにより巻き心地滑らか

21スコーピオン DC はマイクロモジュールギア搭載

中級機以上の多くが採用するマイクロモジュールギア。

ギアの歯を細かくすることで噛み合う歯数が多くなり、ギヤ強度のアップと滑らかな巻き心地が期待できます。

残念ながら 20SLX DC はこのマイクロモジュールギアが搭載されていないので 21スコーピオン DC の方が巻き感の気持ち良さで勝っています。

Xシップの搭載で巻き重り感を軽減

Xシップ。
こちらも中級機以上では当たり前のように搭載されている機構です。

ハンドルを回すことで発生する力を効率良く巻上げの力に変換できるようにしたギアシステムで、ハイギアなどで感じる巻き重り感を軽減することができます。

20SLX DC には非搭載ということで同じギア比であれば 21スコーピオン DC と比べ巻き重り感があることになります。

マグナムライトスプールの搭載で慣性モーメント減少

21スコーピオン DC はマグナムライトスプール
20SLX DC のスプール

ベイトリールで飛距離に大きく影響を及ぼすのが慣性モーメント。
マグナムライトスプールはこの慣性モーメントの減少を目的に作られました。

上記の画像は 21スコーピオン DC のマグナムライトスプールですが、
見ての通り、 スプール胴径やスプール側面に穴開けされており、これが慣性モーメントの減少につながっています。

21スコーピオン DC はこのマグナムライトスプールを搭載しているので 20SLX DC よりも飛距離の面で断然有利に働き、かつ軽いルアーもキャストしやすいというメリットがあります。

I-DC4 より進化した I-DC5

21スコーピオン DC はI-DC5
20SLX DC はI-DC4

I-DC4 より進化したブレーキシステムが 21スコーピオン DC に搭載の I-DC5 です。

I-DC4 と I-DC5 の大きな違いは、ブレーキ設定の調整幅にあります。

I-DC4 のブレーキ設定は、
外部ダイヤル(弱)1→2→3→4(強)の4段階調整

対して
I-DC5 のブレーキ設定は、
内部ダイヤル 3モード(「ナイロン」「フロロ」「PE」とラインによって選択)
外部ダイヤル(弱)1→2→3→4→W(強)の5段階調整

やはり、調整幅のある I-DC5 の方がバックラッシュ回避にも優れ、かつ飛距離も期待できます。

技術特性比較の結果

技術特性比較の結果は、中級機ということもあり 21スコーピオン DC が4ポイント差をつけてこちらも圧勝です。

実機比較

ギア比は違いますが 21スコーピオン DC 150HG20SLX DC 70XG で実機比較をしていきたいと思います。

外観および質感比較

最初は外観と質感から(左が 21スコーピオン DC、右が 20SLX DC)。

21スコーピオン DC はシルバーのボディに黒と赤色を差し色にした万人受けしそうなデザイン。

対して 20SLX DC は、黒のボディに青色を差し色にしたシンプルなデザインです。
スプールの色も青でカッコいいです。

21スコーピオン DC 外観1
21スコーピオン DC 外観2
21スコーピオン DC 外観3
20SLX DC 外観1
20SLX DC 外観2
20SLX DC 外観3

21スコーピオン DC はメカニカルブレーキノブにサソリマークが入っててカッコいいですね。

21スコーピオン DC 外観4
20SLX DC 外観4

SLX DC の文字は控えめでイイ感じです。
ブレーキダイヤルは 21スコーピオン DC が下部に、20SLX DC が上部に配置されています。

21スコーピオン DC 外観5
20SLX DC 外観5

外観について皆さんはどちらが好みでしょうか?
自分は甲乙付けがたく、外観はどちらもカッコイイと思うんですよね。

20SLX DC がもし、海外版の SLX DC のようにロゴが大きかったら評価低かったんですが、日本版はロゴの文字が控えめでイイ感じです。

個人的に外観は・・・ドローですかね。

ただし、質感は 21スコーピオン DC の方がいいと思います。
ずっしりした感じが高級感があって、どっちが所有欲をそそるかでいうと 21スコーピオン DC です。

実際の巻き心地比較

次に実機での 21スコーピオン DC と 20SLX DC の巻き心地を確認します。

21スコーピオン DCの巻き心地チェック
20SLX DCの巻き心地チェック

結論からいって、21スコーピオン DC の方が軽やかで滑らかな巻き心地です。

21スコーピオン DC はマイクロモジュールギアが搭載されているわけですが、これがやはり大きく影響しているものと思われます。

20SLX DC も決して悪いわけではないのですが、やはり 21スコーピオン DC と比べると明らかに劣ります。

よく聞く表現として、シルキーな巻き心地というやつですね。

実機での自重比較

21スコーピオン DC HG 自重216.44g
20SLX DC XG 自重214.90g

今度は実機での自重比較。

21スコーピオン DC の実機は XG より軽量の HGモデルですが、重量は216.44g。

対して、20SLX DC XG は214.90g。

大体同じ重量でした。

20SLX DC はカタログ値よりも5g程度重くなっています。
個体差なんですかね。カタログ値とこんなに差がでるか?って感じです。

自重比較は技術特性でポイント加算されますので対象外とします。

スプールの重量比較

21スコーピオン DC マグナムライトスプールの重量 17.97g
20SLX DC スプールの重量 21.52g

スプールの重量は見てのとおり、21スコーピオン DC の方が肉抜きされているというだけあって3.5gほど軽量です。

マグナムライトスプールはもう少し軽いと思ったんですけど、思ってたよりは重いです。

スプールの重量比較は技術特性と被る部分でもあるのでこちらもポイント加算の対象外とします。

ハンドル比較

次はハンドルの比較です。

21スコーピオン DC のハンドルノブ
20SLX DC のハンドルノブ

ハンドルノブについてはぱっと見同じですね。

ハンドルシャフトも同じようですし、違いはハンドル固定ナットの色が違うぐらいでしょうか。

パーツ価格表を確認しても「ハンドル組」の価格が¥6,765となっているので共通だと思います。

その他の比較

その他、サイドプレートの開け方について。
21スコーピオン DC20SLX DC ではサイドプレートの開け方に違いがあります。

21スコーピオン DC は、まず外部ブレーキダイヤルを『OPEN』の位置に回します。
次に、サイドプレート下にあるレバーを『CLOSE』とは逆の方向に切り替えます。
最後に上記の画像でいうところの上部へ引き出すことでサイドプレートを外すことができます。

次は 20SLX DC の場合、
サイドプレート下にあるレバーを『OPEN』方向に切り替えます。
あとはサイドプレートを画像でいうところの手前方向へ回転させるようにしてずらすことでサイドプレートを外すことができます。

サイドプレートの開け方は好みがわかれると思いますが、個人的にベイトリールのサイドカップは間違って開いてしまい落下の可能性があるので、2重ロックをする意味でも 21スコーピオン DC の方が好みです。

基本、釣り場で頻繁に開けるものでもないので、開けやすくなくてもいいという理由からです。

こちらも好みによるところが大きいのでポイントは「なし」とします。

実釣比較

両者ともにPEラインを巻いて実釣いってきました。

DC音は好みの問題もありますが 21スコーピオン DC の方が気持ちいい、甲高い音がなります。
対して 20SLX DC は巷で音痴DCと呼ばれているようですが、 自分はそんなに悪い音に思えずこちらも気持ちよく投げれました。

遠投性能はやはり、21スコーピオン DC の方が上かなという印象です。

ちなみに両者ともに着水サミングなしではバックラッシュしまくりでした。

21スコーピオン DC の釣果 タチウオ
20SLX DC の釣果 カマス

21スコーピオン DC の釣果ですが、タチウオが釣れました。
このサイズだと全然問題なく上げることができました。

20SLX DC ではちょい大きめのカマス。
釣り上げた魚種が違うのとカマスの方が引きは強いので単純に比較はできませんが、20SLX DC の方は巻き重りを感じさらに剛性感や巻上げのトルク感が弱いような印象を持ちました。
ただ、この程度の魚だと問題なく釣り上げることはできるわけですが。

いずれにしても、使ってて安心感があるのは 21スコーピオン DC の方だと思います。

比較結果

結果は・・・

21スコーピオン DC20SLX DC
スペック比較31
技術特性比較40
外観および質感比較10
実際の巻き心地比較10
実機での自重比較00
スプールの重量比較00
ハンドル比較00
その他の比較00
実釣比較10
合計ポイント101

予想通りと言えば予想通りなのですが、21スコーピオン DCの圧勝でした。

中級機だけあって基本性能が 20SLX DC に比べ格上という印象です。

問題はこの性能差が価格差に見合っているのか?ですね。

本体価格(定価)で比較すると、
21スコーピオン DC が ¥37,500、20SLX DC が¥27,500 となっています。

実売価格は、現在(2021.09.27)Amazonで
21スコーピオン DC が ¥25,134~26,258、20SLX DC が¥18,750~19,449 の価格設定となっています。

価格差は、定価が¥10,000、実売価格が¥6,000~¥7,000ぐらいでしょうか。

この価格差について皆さんはどう思いましたか?
個人的には 21スコーピオン DC はこの価格差以上の価値があるのではと思っています。
理由は、コストに跳ね返るであろう技術特性に差があるのと、魚が掛かったときの安心感、そしてなにより高級感があって所有欲をそそられるからですね。

ということで、 価格差も考慮した自分の比較結果は・・・21スコーピオン DCの勝利です!

今回の比較内容が人によって逆転する場合もあると思いますので参考程度にお役に立てると幸いです。

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